こんにちは!食材デポ編集部のデポ太郎です。
2023年に入り、値上げした商品が3万品目を超えました…!全食品分野に及ぶ年3万品目超の値上げは過去30年間でも異例で、記録的な2022年(2万5768品目)を上回り
過去最大級の値上げラッシュとなっています。
そんな時だからこそ、飲食店の方なら食材の原価率を抑えていきたいですよね。特にレストランや居酒屋はメニューが豊富なので、お料理ごとに原価率も千差万別です。その原価率をどれだけコントロールするかが重要になってきますので、今回は、飲食店で定番のメニュー2023年バージョンの原価率を調査してみました。今回の記事を見て、
収益になる食材をチェックしておきましょう!
原価率について
飲食店においての原価は、食材の仕入れ価格です。原価をおさえて粗利益につなげるには、しっかりと原価管理することが大切です。食材の仕入れ原価に、人件費などの経費とお店の利益を足して提供されるのが、メニュー価格となります。このメニュー価格で原価を割った数字が原価率になるのですが、飲食店の原価管理では
メニューの原価率を管理していくことがお店の利益にとって重要です。
飲食業界の原価率の理想数値は、大まかな目安として
30%前後です。それを目安に、お客さまの満足度を下げないよう配慮しながら原価率を調整していくことを心がけましょう。
原価率の算出法
原価 ÷ 売上高 × 100 = 原価率(%)
一般的な飲食店の場合、その他諸々の経費も考えると原価率30%が限界のようです。例えば、月間売上げ額が500万円だった場合に、仕入れによる原価額が150万円だと原価率が30%となります。それ以外にも人件費・家賃・光熱費・販促費などの経費が合計で200万円加算されたとしてお店に残る利益は、150万円となります。
メニューごと原価率
飲食店の売上は【客単価×座席数×回転数】で求められます。飲食店経営者の方から「売り上げは上がったけど、利益は変わってない」などという話をお聞きすることがありますが、それは集客メニューと収益メニューの売り上げに偏りが出ているのかもしれません。ここでは、居酒屋メニューを一例に原価と売価の目安をみていきましょう。
枝豆
つきだしメニューとしても定番の枝豆ですが、調理に時間がかからないうえ原価が安い食材なので、是非メニューとして用意しておきたいです。
● 枝豆 |
原価 35円 |
売価 600円(チャージ料金) |
ポテトフライ
子供から大人までおつまみの定番のポテトフライ。軽く揚げるだけで時短メニューにもなりますので重宝されるメニューです。
たこ焼き
アツアツのたこ焼きをハフハフ言いながら生ビールやチューハイで流し込む瞬間がたまらないですよね。こちらもおつまみに最適です。
焼き鳥
仕入れルートにもよりますが、焼き鳥は部位によってその原価率が変わってきます。ですので、原価の低いものと組み合わせて「串の盛り合わせ」メニューなどをおすすめすると利益が出ますが、原価の高いメニューばかりを注文されると厳しいですね。
● 鶏皮 |
原価 20-30円 |
売価 260円 |
● 鶏モモ |
原価 30-40円 |
売価 260円 |
● 豚バラ |
原価 50-60円 |
売価 290円 |
● ぼんじり |
原価 60-70円 |
売価 290円 |
● ネギマ |
原価 60-70円 |
売価 290円 |
アジのお造り
お魚系は、基本的に取れる産地によっても異なってくるため時価になります。そのため金額もかなり異なってきますが、見た目に豪華な姿造りでご提供するとお値段以上の豪華さが演出できます。
● アジのお造り |
原価 200-260円 |
売価 680円 |
生ビール
生ビールは業者から樽を仕入れて、ビールサーバーに設置して中ジョッキ一杯を基準に提供するのが一般的です。およそ20L入った1樽の価格は、およそ10,000円前後です。
● 中ジョッキ一杯 |
原価 200-250円 |
売価 550円 |
メニューのバランスを考える
どこの飲食店でも、集客の要である看板メニューにとても力を入れています。それだけに原価率も高めの素材が多く調理工程にも、また手間もかかっているため、看板メニューのみで売り上げを立てるのは苦難です。そのため他の一般メニューの原価率や作業にかかる時間とのバランスを意識して、
「集客のためのメニュー」と
「収益のためのメニュー」をともに選んでもらえるような営業を行わないと利益につながりません。
集客メニュー
飲食店にとって、集客目的になる看板メニューがあることは繁盛店になるための重要な要素です。SNSなどで拡散されやすい「お店の顔」となるメニューがあることでそれが広告塔になり、
顧客満足度だけでなく集客力も高まります。また、食材や調理法や盛り付けなど、さまざまなこだわりや工夫を凝縮することで、オリジナリティーを打ち出し、他店と
差別化させることが集客するための大切なポイントになります。
収益メニュー
どちらかと言えば、メインメニューと一緒に頼んでもらいたいサイドメニュー的な要素が強いです。原価率も取り分け低いため、
収益メニューを売り込んでいくことがお店の売り上げにつながると言っても過言ではありません。つまり原材料費や人件費を抑えることが、儲かるメニューにおいて非常に重要です。原価率の低い食材を常にリサーチの上、その調理においての作業工程を減らすことがポイントです。
原価率の低いメニュー
繰り返しになりますが、集客メニューと収益メニューをバランスよく注文してもらい、お支払額の合計の原価率が3割前後になるのがベストです。では、具体的にどのような商品を収益食材として仕入れるべきかを、人気商品から厳選して食材6品を原価率と共にご紹介いたします。
スナップえんどう
調理の手間がありません。
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ペペロンチーノ
想定売価 |
600円 |
原価 |
90円(他の材料費を含む) |
原価率 |
15% |
調理の手間があります。
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カットケーキ
想定売価 |
250円 |
原価 |
50円(他の材料費を含む) |
原価率 |
20% |
ほぼ調理の手間がありません。
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餃子
想定売価 |
380円 |
原価 |
100円 |
原価率 |
26% |
調理の手間があります。
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マルゲリータピザ
想定売価 |
1,500円 |
原価 |
448円 |
原価率 |
30% |
ほぼ調理の手間がありません。
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まとめ
今回の調査により、2022年以降続く急激な物価高騰の影響を受け、仕入れ商品価格が高騰しているのが一目瞭然となりました。このような状況の中でも原価率の低いメニューは、どの食材も原価率が12%-30%に抑えられていて、飲食店にはかなり魅力的だと思います。どれもサイドメニューや主食になるような料理ですが、仕入れた食材にお店ならではのちょっとした一工夫を加えて提供することにより
「利益を生む売れ筋商品」になります!また、原価が低いとついつい売価も下げて販売しがちですが、メニューにはそれぞれに役割があることを忘れてはいけません。お店で取り扱っている
全ての原価率の平均値が30%を超えないことを常に意識することが大切です。利益は高くてもそのメニューの人気がなくて売り上げにならなければ意味がないのです。お店で毎月の帳簿監査を行い売筋メニューと売れないメニューの分析とメニュー改善を継続することを心がけましょう。