
こんにちは!食材デポ編集部の泉山です。
ビールが美味しいこの時期にご紹介したいのは、宮崎県の郷土料理「地鶏の炭火焼」。食べやすいサイズに切った地鶏を、塩胡椒と隠し味で下味をつけ、強火の炭火焼きで黒々とこんがり焼き上げる一品です。まるで、炭火の燻製のような独特の風味が特徴です。今回は、その地鶏の炭火焼の作り方とおすすめの食材をご紹介して参ります。
みやざき地鶏誕生の歴史

もともと宮崎県と鹿児島県の霧島地域において、古くから飼育されていた在来種の鶏です。その名前の由来は、江戸時代にこの鶏を飼育していた農家さん達が、とても美味しいことから藩城主の地頭職に献上していました。その後いつからともなく地頭鶏と呼ぶようになったと言われています。それから時は過ぎ1943年(昭和18年)生産羽数が非常に少ないために文部省から天然記念物に指定された。
1985年
宮崎県畜産試験場川南支場において、宮崎県の地域性を持つ地頭鶏を原種鶏とした「みやざき地鶏」の開発がスタート。
1998年
熊本県・大分県・宮崎県の3県で共同開発した新たな地鶏である「九州ロード」が誕生した。これを交配に用いたところ、産卵率と有色羽装率が大きく向上した。そして新たな交配様式が確立され、ついに「みやざき地鶏」が誕生しました。
2004年
商品の違いを明確にするため「みやざき地鶏」より「みやざき地頭鶏(じとっこ)」と命名されました。宮崎県当局により親鶏が管理され、生産者を限定し雛鶏を供給しています。
2008年
宮崎ブランド推進本部から商品ブランド産地認定証を受ける。この年に開催された「地鶏・銘柄鶏食味コンテスト」で優秀賞を獲得。その2年後の2010年には、優良賞を獲得しています。
2011年
平成24年度に独立行政法人家畜改良センター兵庫牧場より公表されている「都道府県における地鶏・銘柄鶏の生産状況(平成24年度)」によると、みやざき地頭鶏の生産は、秋田県の比内地鶏を抜き、徳島県の阿波尾鶏、愛知県の名古屋コーチンに次ぐ地鶏全国第3位となり、2020年現在でもその供給率は伸び続けています。
みやざきの味が出せる地鶏の炭火焼の材料
材料A(2人分)
鶏もも肉 |
300g |
塩・胡椒 |
少々 |
だしの素 |
大さじ2 |
鶏油 または サラダ油 |
適量 |
材料B(味付け)
みやざきの味が出せる地鶏の炭火焼のレシピ

せっかく良質の地鶏を準備しても、調理の仕方次第で台無しなる場合もございます。そこで、地鶏専門店の店主が教える「失敗しない調理法」を一緒にみていきたいと思います。
Step.1
もも肉はスジや硬い部分は取り除いて、1個が15gくらいの大きさに切り、ボウルに入れて塩とだしの素をまぶします。下味が均一に混ざるように、水を少し入れて混ぜます。身と皮の間に塩が入り、そこだけが塩辛くなるのを防ぐためです。
Step.2
事前に適量の鶏油を凍り固まらせておき、角砂糖ほどの大きさにカットしておきます。それを下味が均一に混ざったもも肉に投入し、再度均一に混ぜます。もも肉と鶏油を混ぜてから焼くことで炭火がもも肉にまで上がり宮崎のもも焼き特有のスモークされた風味がでるのです。
Step.3
炭火は、いつもより強めにおこします。大きな炎が上がる焼きの作業は豪快に見えますが、こちらも繊細さが必要です。肉の具合や炭火の具合を見ながら網の上で、初めはヘラで転がして全体がばらばらになるように焼きます。ムラなく焼けてきたら、全体を一つの固まりに丸める感じにして、表面の脂のみ落とすように焼きあげていきます。
Step.4
仕上げに肉を鉄皿にのせて、鉄皿ごと少し炭で熱して自家製柚子こしょうを添えたら出来上がりです。
みやざきの味が出せる地鶏の炭火焼の食材をご紹介

当店でお取り扱っている食材で、本場宮崎の味を再現してみましょう。
もも肉
運動量の多い筋肉の部位。味が濃いので、煮物や焼き物にむきます。
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骨付もも
骨付きのうまみを活かせる水炊き、カレー、シチューなどに。また、好みの香辛料使ってフライドチキンにしても。
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手羽もと
コクがあり旨みたっぷりな部位。そのまま焼いたり唐揚げ、煮物にも美味しく召し上がれます。
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うま味塩こしょう
塩とこしょう、調味料の絶妙なバランスの万能調味料です。
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だしの素
かつお節に昆布のうまみを加えて、味わい深く仕上げています。水にもサッと溶けて、手軽においしいだしがとれます。 汁物・めん類・鍋物・炊き込みご飯など幅広くご使用ください。
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鶏油(チーユ)
チキンオイルをベースに、ネギと生姜の風味を加えた、本格的な中華調味油です。
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一味違った味わいに仕上げたい方には、メディアでも話題になったこの特性スパイスがおすすめ!
マキシマム
多数のメディアで話題になった肉屋が作る特製スパイス
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まとめ
簡単なようで奥の深い地鶏の炭火焼の調理のコツは、肉が固くならないように強火で焼き、炭のすすが鶏肉に付くように焼くのがポイントです。すすの香りも味の一部なのです。また、ゆず胡椒が苦手な方は、七味などお好みの薬味やキャベツを添えてマヨネーズを付けながら食べるのもおすすめです。この機会に是非、みやざき地鶏の味をご堪能ください。