飲食店が知っておきたい新メニュー開発のコツ!
2020/04/03 00:00
こんにちは!食材デポ編集部の泉山です。 コロナショックによる営業自粛の影響を受け、今後の運営のV字回復も兼ねて新メニュー開発を検討中の飲食店も多いと思います。確かに、居酒屋やレストラン・カフェなどは、メニューの種類が多いとお客様も満足されます。とはいえ、単純に新メニューを増やしてしまうと新たな食材の仕入れも増え、結果として廃棄のリスクや調理時間がかかり過ぎる可能性も高まるのです。いかに、限られた食材を効率よくアレンジして使うかが、新メニュー開発のキーワードになってきます。では、そのために知っておくべきことコツを抑えていきましょう。

新メニュー開発がなぜ必要なのか?

食材の仕入れから仕込みなどの準備や営業を行う忙しい中で、時間を取って新メニュー開発を行うことはとても大変なことです。そこまでして新メニュー開発を行う理由を紐解いていきましょう。

お客さんを飽きさせないため

多くの飲食店では、メニューを大きく2つに分けて「定番メニュー」と「新メニュー」の2種類取り扱っており、定番メニューの中にはお店の看板メニューも含まれ、これを目当てに来店するお客さまもいらっしゃいます。しかし、いつも同じメニューだけでは常連さんに飽きられてしまいます。新メニューの開発によりお客さまへ、新鮮さや限定感をご提供することにつながり、来店も増えていきます。

季節限定感のアピール

おすすめメニューに「季節の…」など旬のものや流行りの食材が増えることで、季節感や限定感が生まれお客さまの「食べてみたい!」「試してみたい!」という気持ちを掻き立てるでしょう。また、お客さまの反応を伺うことで新たなメニューの創作のアイディアにつながったり、メニューの見直しにもなります。

ターゲットを広げるチャンス

「あの店に行けばこういうメニューが食べれる。」といったお客さまの固定観念を良い意味でくずし、「あの店に行けばこういうメニューも食べれる。」というメニュー開発をして行けば、新たな顧客を増やすことが期待できます。

定番メニューの見直しにつながる

それぞれのメニューに必要な材料の仕入れや調理時間など、見直すきっかけにもなります。ロスが多かったり、手間がかかり過ぎたりするメニューを明確にしていくことで、ロス削減や作業効率の向上につながります。

新メニュー開発のポイント!

「とにかく旬のものや流行りの食材を使いたい」や「今までうちの店になかったメニューで美味しいものを作りたい」といったような曖昧な趣旨でメニュー開発を行ってしますと、いざ進めていく時に大変です。失敗しないためにも、ここでポイントを抑えておきましょう。

Point.1 新メニューのコンセプトを明確に

例えば、「最近地元でトマト栽培が盛んになってきたので、当店でも地元のトマトを使った料理をお客さまに食べていただきたい」とします。すると、「食事を通して、地元の食材を味わって欲しい」という背景から明確なコンセプトが見えてきます。

Point.2 需要があるかを事前に調査

地域貢献も兼ねて、使いたい食材で作りたいメニューを提供したいという気持ちも大事ですが、需要がなければ供給は成り立ちませんね。本当に必要なものや足りないものは何か?を調査していくために下記のチェックが必要になってきます。 ● SNSやTVなどで話題になっているメニューや食材はなにか。 ● 近隣のライバル店はどんな人気メニューを取り扱っているのか。 ● 常連のお客さんが次にどんな新メニューを求めているのか。 ● お店を利用するお客さまの曜日や時間ごとの客層を確認する。

Point.3 安定供給される食材を選ぶこと

「うちのお店は、その日に市場から仕入れた厳選食材だけを調理して、時価で販売してます」というこだわりの高級店は例外ですが、旬の食材や流行りものでも、ある程度の分量が安定的に仕入れられる業者や仕入先を選ぶこともポイントの一つです。

Point.4 効率よく回せる食材を選ぶこと

お客さまを待たせず限られた時間内に、お料理を提供するためには、まったく異なったメニューや食材ばかりを準備するわけにはいきません。他のメニューにも応用が利き時間や食材のロスにならない新メニュー考案が大切です。

Point.5 メニューの名前や見た目も重要

新メニューのコンセプトが決まったら、次に名前です。産地名や素材の品種名や季節感を出すことでライバル店との差別化を図れ「今ここでしか食べれない」というお客さまの心理を刺激します。またその名前とマッチした写真映えする見た目も重要です。SNS普及によるお料理のインスタ映えなどは、今や力強い集客方法の一つとして欠かせないものになってます。

Point.6 非日常性の空間をご提供

ものが溢れ、人々が飲食店に求める欲求もだんだん高くなっています。安定の美味しさだけではなく、見た目に美味しい調理法や想像もしてなかった飲食のスタイルなど、お客さまに楽しんでいただける工夫が必要になってきます。

新メニュー開発の流れ

新メニュー開発のポイントは抑えましたが、では実際に進めて行くにあたって開発の流れについてご紹介いたします。

1.市場調査

今、お客様がどんな料理を求めているのか。近隣の人気店のメニューや、SNSやマスコミなどが発信している流行りのお店や商品情報など世の中にはたくさんの情報で溢れています。正しい検索方法で、最新の明確な情報を参考にしていくと必要とされているニーズが見えてきます。

2.新メニューのコンセプトを考える

コンセプトへの考え方はの事例がいくつかありますので、ご紹介します。 ● 食べてもらいたいお客さま層のターゲットを具体的に絞っていく。 ● お客さんにどういうシュツエーションで食べてもらいたいのかを決める。 ● ライバル店とのメニューの差別化を図りお客さんを取り込んでいく。 ● 新メニューの予算組みをあらかじめ決めておく。

3.食材からメニューを絞る

仕入れ可能な食材から新メニューを決めていくのも一つの手法です。季節の旬の食材や、地域で仕入れやすい特産品など料理に携わる職人さんであれば、食材を眺めているだけでも新しいメニューの構想が湧いてくるものです。また、0から新しいメニューを考えるというのは難しいので、最近の流れに沿った人気メニューを自分なりにアレンジして考えるのもよいと思います。

4.メニュー構成を組み立てる

むやみに、季節の食材や特産品ばかりでメニューを作ってしまうとひとりよがりでバランスの悪いのメニュー構成になってしまいます。ランチメニューであれば、サラダ・サイド・メインの食材のバランスを考え、単品メニューであれば、既存の定番メニューとのバランスを考えてメニュー構成を組み立てる必要があります。

5.食材の仕入れ先を選ぶ

新メニューを作ってみる前に、食材の仕入先を選定する理由は、事前に仕入れルートやロット・単価などが明確になっていないと商品として継続してお客さまにご提供できる保証がもてないからです。入荷確実な食材のロット・単価を事前に把握しておくことで、その分の予算組みもできます。

6.料理を試作をする

試作を行う際には、実際の環境に近い状態で行うことをおすすめします。試作では、大抵の場合一人前程度しか作らないので本番時の大量の仕込みとは若干味も変わってきますが、料理の方向性を確かめることができます。味付けの調整は後ほど行うとして、料理にかかる大体の時間と他のメニューへの食材の応用なども確認しておきましょう。

まとめ

仕込みの行い方や工夫次第では、限られた食材でもいくつもの新メニューを作り出すことができます。メニューが増えれば増えるほど調理の手間も増え食材ロスが出る可能性も高まりますが、食材の活用法をいくつか考えておくことで作業効率も上がり、ロスも最小限に減らすことができます。同時に原価率も下がり経営の負担削減にもつながります。新メニュー開発は、飲食店にとって売り上げ向上のためには欠かせない手段です。まずは、お店のスタッフと相談して挑戦してみてはいかがでしょうか。